婚活も営業スキルで成功した私の営業論

これまでの私

私は会社員時代からいろんなものを売ってきた。さすがに「布団」と「壺」は打ったことはないけれど。(布団って昭和だな。。。。)

最初のキャリアがホテルマンで、まさか自分が営業職に就くとは思っていなかったのだけど、良くも悪くも社内で目をつけられやすい存在だった私は気づいたら女性初の営業職とやらに抜擢されていた。

元来一人っ子で特別感が大好物な私は嬉々として新しい仕事に励んだ。
そしてホテルにかかわるものはほぼ全て売ってきた。宿泊の団体はもちろん、宴会だったり企業の●●周年パーティだったり、新車のお披露目会、ビアガーデン、ディナーショー、クリスマスケーキ、お節料理、etc。

20代でイケイケどんどんだった私は調子に乗って売りまくった。
今考えると勢いだけだと思われるけれど、良いお客様に恵まれてなぜか面白いように数字を上げた。

そしてウェディングプランナーに転職をしてまるっと結婚式を売って1日で1500万(あくまでも見積上)売ったこともある。(これには後日談があって転職をして1カ月もしたらスランプに陥り、いきなり売れなくなる経験を初めてした。ベンチャー企業だったので成約率が悪いプランナーは接客に出してもらえずスランプ脱出は本当に辛くてトラウマになった)

私の営業人生で一番高価なものを売った経験は間違いなく結婚式だと思う。

それから通信キャリアに転職をして回線や法人向けの携帯電話とシステムを売った。これまである意味付加価値のサービスをばかりを売ってきたのでインフラが売れるのかとっても不安だったけれど、契約社員でも営業成績がよくて表彰されたりと、とにかく仕事は楽しくて営業という仕事は転職だなーとも感じていた。

営業力には自信があった私は独立して自営業・フリーランスのキャリアコンサルタントになりセミナー登壇やカウンセリングが今はメインの仕事だ。
独立した当初、営業には自信があったはずなのに、もちろん始めたばかりで実績ゼロの私はなかなか売れなくて本当に凹んだ。でも経営者のコミュニティに入って講演する機会を与えてもらってそこから仕事になることが多かったけれど、これはある意味、営業で鍛えたプレゼン力だとは思う。

会社員時代から約20年間、営業という仕事に携わってきたので勝手に営業論を書いてみたいと思う。

質問力とお客様の話を本当に聴く傾聴力

いろんな営業虎の巻的な本に書かれているけれど、営業の極論は

『あなた』から買いたい

だと思っている。そしてその「あなた」と「私」の間の信頼関係があれば何でも売れる。もちろん提供するサービスが良いことは言うまでもないのだけど、その上で「私の問題を解決してくれる人かどうか」ということだと思う。

売れる営業マン、売れる講師、これには共通点がある。
お客様(受講者)に、いかにたくさんしゃべらせるか

ということにフォーカスした場の作り方ができるか、ということ

ただ、いきなり先方が話始めることはないので、こちらが話しやすいような質問というパスを投げる必要がある

そのパスの出し方によってお客様は話したくもなるし、話したくなくなったりもする。

私は質問が思い浮かぶかどうかは相手への興味の度合いだと思う。相手への興味や好奇心がたくさんあればあるほど「ききたいこと」はあふれてくるはずだ。20代の頃、私は人生で初めて出会う「社長」という人たちに興味津々だった。彼らの思考法や趣味(だいたいが歴史かゴルフ)の話を聴くことはとても楽しかったし、いろいろなことを学んだ。一見、なんてことない雑談の中にいつか提案する商品やサービスへのヒントが溢れていたのだと思う。

おもしろい話を聴きながら、話した内容は詳細にメモしていた。このメモは後々ものすごく役立つことになる。ホテルはどちらかというとインフラではなく付加価値のサービスを売っている。だからこそお客様の趣味や嗜好を日ごろの雑談から情報を収集してコレという商品が出たときにはかなりの確率で売れる。

また雑談だけでなく「話してもらうという本質」は法人営業であれば自社の課題を聞き出すことにある。

でも人は信頼できる人にしか自分の抱えている課題やまして自社の問題など話したりはしない。いわゆる自分の弱みは日ごろのやり取りでの信頼関係構築の先に話してくれることである。

おそらく売れる営業マンたちはここが自動的に出来ているのだと思う。

「自分」のことをよく知っていること

自分自身のタイプ、強み、資質、こんなところを自分で分析し理解していることは意外にとても大事だと考えている。

自分のタイプでいえば
営業の種類、いわゆる新規開拓が得意なのかリテンション(既存顧客の流出防止、フォロー営業)が得意なのか、など。

もちろん一般的に両方担う必要があることが多いけれど、得意がどっちであるかはタイプがある。例えば私は法人営業でいえば新規開拓のほうが得意なタイプ。自分の顧客の傾向とかを見ればわかると思うのだけど、得意な方により力を入れると伸び率は高い。

高額商品が得意なのかそれ以外が得意なのかみたいなものもある。私はどちらかというと高額商品が得意。この理由は確固たるものはちょっと自分でも正直分からないのだけどホテルマン時代も例えば3000円のクリスマスケーキよりも3万円の「お節料理」や二人で10万円の「ディナーショー」のほうが売れた。これはどちらが偉いというより、完全なるタイプ。相性のよいお客様の傾向みたいなものもあると思うから、そこを見れば売りやすい商品の価格帯みたいなものもわかるかも。私は自分の周りに経営者が多かったので企業研修を独立して最初の事業にした、という理由もあります。

上記のように自分を知るということは
自分がどんな商材やお客さんに向いているか、ということが分かるようになり、反対に手を出さないほうがよい分野や成果が出せない業種みたいなものも出てくるはず。コンサルやカウンセリング業ではここを知っておくことも自分を守るためには必要だ。おそらく自分ひとりでは万能ではないのでどの業種・どんなお客様にも成果が出せるというのはチームでやる仕事は別だけど、個人の場合はある程度絞ったほうがよいのではと思う。

マーケティングが完璧だと営業は不要になる?!

これは以前ビジネスの勉強をしていた際に学んだことの受け売りであり、以下に書くことは私の主観ですが、お客や市場の望むこと・お客の声を聞くこと(いわゆるマーケティング)が出来れいれば、営業なしでいきなり売れるということは起こりえます。いわゆるこれの結果が「紹介」的なことだったり「口コミ」的なことだったりするのかもしれません。

もちろん何もしてないのではなく例えば既存のお客さんへのフォロー営業の際に情報収集やさりげない紹介依頼みたいなものはやっていての結果だとは思うけれど。

これって最高ですよね。
紹介とか口コミで仕事が取れることを目指して昔私は営業をしていて、自営業になってからはそもそもあまり営業をしたことがないことに最近気づいてしまった。

私自身は営業は大好きな仕事だけれど、チームで働くときは「営業」「サービス」「システム」みたいに役割分担できるけれどフリーランスになると一人で何役もするので出来れば営業とかはやらなくても仕事が来るようになるのが理想だと思う。

おまけ①営業は20代のうちに一度は体験しておいてほしいビジネススキル

私はよく学生から営業職について聞かれたとき、必ず「20代のうちに絶対やっておいたほうがよいビジネススキル」だと伝えている。営業という仕事の中には本当にいろんな必要とされる力が詰まっている。

初対面の相手と信頼関係を築くスキル
数値管理スキル
傾聴力
課題発見力と解決力
多様な話題を拾える教養
社内ネゴシエーションスキル
折れないメンタル(折れても、また復活する方法を見つけれる)
感情のコントロール
感謝する心

きっとまだまだあるだろうけれど、本当に私自身たくさんのものを学んだ。
一番の財産はビジネスと通じた人と出会いから自分が成長できることだと思う。だからこそ、若いうちに(誤解を恐れずに言えば)ちょっとくらいのブラック企業で鍛えられた経験は何よりも強みになる。

おまけ②キャリアコンサルタント的には営業マインドは邪魔でした。。。

私はキャリアコンサルタントの実技試験に自慢ではないけど3回落ちた。。。しかも決定的なミスの自覚がなく落ちてしばらく理由が分からなかった。でもある方に指摘されて愕然とした経験がある。

「瀬口さん、営業をされてましたよね?」

その方は私のキャリアを何も知らないのに、いきなりそう質問した。

「営業をされてた方は問題解決にばかりフォーカスするんです。でもキャリアコンサルタントは問題解決型ではなく寄り添い型なんです。というか試験で求められるのは後者なんです。あなたがやっている「提案」はカウンセリングでやる技法の最終手段です。それまでに傾聴、ひたすら傾聴です。」

私は思った。それでは話が全く進んでないじゃないか、と。

どうやら話を進めるのは私ではなくクライアントらしい。

またこの話は改めて。
営業マインドは時として邪魔な場合もあります。。。。

さいごに

私は営業という仕事には足を向けて寝られないくらい感謝している。何しろタイトルにも書いたけれどレッドオーシャンなアラフォー婚活市場を何とか泳ぎぎきって成果を出したのはこれまで培った営業マインドだと思うから。

マーケティングをして自分の立ち位置、差別化、をはっきりさせ、自分に合いそうな相手をプロファイリングする。職業、性格、嗜好。そして必ず最後にクロージング(プロポーズ)まで自分でする。

働き方は生き方だと教えてくれたのは営業という仕事だったように思う。
働き方、すなわち働く姿勢、スタンス。
そう考えると一つの言葉しか浮かばない。さすが営業の会社だな

『自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ』